主日の福音

復活節第四主日ヨハネ10:27-30 その4

イエス様は「わたしと父とは一つである」と言われました(10:30)。この「一つ」を意味する表現を旧約聖書に求めると二つの詩編が思い起こされます。一つ目は、

わたしと共に主をたたえよ。ひとつになって御名をあがめよう(詩編34:4)。

です。これらを踏まえるとイエス様はユダヤ人たちに“自分は父なる神と一つであることから私と共に主なる神を讃えるようになりなさい”ということを言わんとされたのではないかと考えられます。

二つ目は、

諸国の民はひとつに集められ/主に仕えるために/すべての王国は集められます(詩編102:23)。

です。これを踏まえるとイエス様は“やがて主なる神が実現してくださる神の国のために諸国の民もすべての王国も御自分を通じて一つになる”ということを言われているとも考えられます。実に同じような表現が大祭司カイアファの「国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるため」という思いを記述した箇所にも見られます(11:52)。このことを通じて福音記者ヨハネが語ろうとしたことを次回に考えてみましょう。

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