主日の福音

【復活節第五主日ヨハネ13: 31-33a; 34-35】

イエス様が新しい掟、即ち、互いに愛し合うことを命じる場面がヨハネ福音書に描かれています(13:34)。確かにこれはイエス様が教えられた中で最も大切な掟です。それゆえにこの掟に込められたイエス様の意図を改めて考えてみたいと思います。

イエス様は「互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる」と言われました(13:35)。これは掟を守ることにより他者に与える影響について述べたものであると考えられます。互いに愛し合うことについてはレビ記に、

復讐してはならない。民の人々に恨みを抱いてはならない。自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である(レビ19:18)。

とあります。おそらくこの戒めをイエス様は踏襲して教えられたのでしょう。しかしイエス様が語られた掟とレビ記の教えを比較すると共通して“愛する”が見られるものの、原語ではその意味合いが微妙に異なります。この違いにこそイエス様が「新しい掟」と言われたその“新しさ”を読み取れるのではないかと思われます(13:34a)。この点を次回は原語から考えてみましょう。

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