主日の福音

【年間第十四主日 ルカ10:1-12, 17-20 その2】

狼という言葉は弟子たちが町の人々に受け入れられないばかりか、虐げられ攻撃されることを連想させてくれます。しかしイザヤの預言の中では「(その日が来れば)驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる救い主を通じて地上に平和がもたらされます(イザヤ9:5b; 11:10)。その時のことを「狼は小羊と共に宿り」と譬(たと)えています(イザヤ11:6)。また別の箇所で「狼と小羊は共に草をはみ」と表現されています(イザヤ65:25)。このことを考えるとイエス様は言葉の裏で神の国が実現する希望を「狼の群れに」に織り込んでいるのかも知れません。実にイエス様に敵意を持つ者も神の国に招かれているのですのですから、これは自明なことであると言えます。ここで改めて「狼」が意味することを考えるとエレミヤの預言が思い起こされます。そこには、

それゆえ、森の獅子が彼らを襲い/荒れ地の狼が彼らを荒らし尽くす。豹が町々をねらい/出て来る者を皆、餌食とする。彼らは背きを重ね/その背信が甚だしいからだ(エレミヤ5:6)。

とあります。次回はこの言葉を踏まえてイエス様が語られた「狼」の意味を改めて考えてみましょう。

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