主日の福音

【復活祭ヨハネ20:1-9】

イエス様の復活が描かれたヨハネ福音書の描写には「イエスが愛しておられたもう一人の弟子」が登場します(20:2)。ヨハネにしか登場しないこの弟子は「ペトロより速く走って、先に墓に着いた」とあることから(20:4)、この「速く」という言葉に着目してみましょう(20:4)。この副詞をヘブライ語で考えると“すぐに ~ をする”を意味する動詞に相当します。そして三編の詩編が思い起こされます。それらの中で「(苦しむわたしに・あなたを呼ぶとき)急いで答えてください」(詩編69:18; 102:3)、「御憐れみを速やかに差し向けてください」(詩編79:8)とあるように神様に助けを切に求めるときに使われていることが分かります。この箇所を踏まえれば「もう一人の弟子」がペトロよりもイエス様を切に求めていたということが「速く」によって表現されているのではないでしょうか。しかしこの弟子は「先にイエスの墓に着いた」にもかかわらず(20:4)、「彼は中に入らなかった」とあります(20:5b)。対して後から来たペトロは「墓に入り」ました(20:6b)。この違いは何を意味しているのでしょうか。

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