主日の福音

【キリストの聖体ルカ9:11b-17】

供食物語でイエス様は使徒たちと共にベトサイダに退かれたものの、群衆はイエス様の後を追って来ました。その後、マタイとマルコでのイエス様は大勢の群衆を見て深く憐れまれました(マタイ14:14;マルコ6:34参照)。対してルカでのイエス様は群衆を迎え入れ、神の国について語り、治療の必要な人々を癒されました(9:11b)。またマルコでは「いろいろ教え始められた」と抽象的に書かれていますが(マルコ6:34)、ルカでは具体的に「神の国」となっています。

また共観福音書を比較するとこの話の始まりはマタイでは「しかし、群衆はそのことを聞き、方々の町から歩いて後を追った」と訳されていますが、直訳すれば“徒歩でイエスに同行した”とアオリスト形*で表現されています(14:13b)。マルコでは「すべての町からそこへ一斉に駆けつけ、彼らより先に着いた」と訳されていますが、直訳すれば“そこに駆けつけた”とここでもアオリスト形で表現されています(6:33)。ルカでは「イエスの後を追った」と訳されていますが、直訳すれば“イエスに同行した”とやはりアオリスト形で表現されています(ルカ9:11a)。ここまでの内容は共通しています。

(*)アオリスト形とは既に終わった過去の一時点、また継続は含まない時制のこと。

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