イエス様は「父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである」と語られました(16:15)。ここでの二重括弧が表すようにイエス様は先に語られた「その方(真理の霊)は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである」を要約したかたちで改めて語っています(16:13b)。実に「告げる」と訳された言葉は原語では福音書の中でヨハネにしか見られません。であれば福音記者ヨハネにとっては重要な意味をもっていると言えます。そこでこの言葉をヘブライ語に訳して考えてみると、この「告げる」は他動詞であることから目的語に相当するものが必要です。それが「聞いたこと」であり「起こること」です。同じようにこれらもヘブライ語に訳して考えてみなければなりません。そしてこれらの言葉が同時に使われている箇所が旧約聖書のどこかにあるように思えます。そこに福音記者ヨハネのイエス様についての理解の一端が窺えると考えられるのです。この続きは次回に …。
主日の福音