主日の福音

【主の昇天ルカ24:46-53】

イエス様の昇天の場面にあたってルカ福音書では「イエスは、そこから彼ら(弟子たち)をベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された」とあります(24:50)。このベタニアという地名は福音書すべてに見られますが、ルカでは特徴的に使われています。エルサレム入城にあたってイエス様は「『オリーブ畑』と呼ばれる山のふもとにあるベトファゲとベタニアに近づいたとき、二人の弟子を使いに出そうと」されました(19:29)。その目的は御自分が乗るロバを弟子たちに調達させるためでした。ベトファゲはエルサレムの東方、またオリーブ山の南に位置し、エリコからベタニヤを経てエルサレムに至る街道沿いにありました。そして「イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子たちの群れはこぞって」「主の名によって来られる方、王に、/祝福があるように。天には平和、/いと高きところには栄光」と「声高らかに神を賛美し始めた」とあります(19:37, 38)。ルカに於いてベタニアという地名はこれらの二箇所にしか見られません。であれば復活されたイエス様が弟子たちをこの地に導かれたことはエルサレム入城を何らかのかたちで敷衍(ふえん)していると考えられるのではないでしょうか。

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