主日の福音

【復活節第五主日ヨハネ13: 31-33a; 34-35 その5】

イエス様の言葉には御自分を信じない者だけではなく敵対するものであっても隣人愛を通じてまことの神様を悟る機会になるということが織り込まれていると考えられます。留意したいことは前回引用したイザヤの預言の直前に、

今、あなたは知らなかった国に呼びかける。あなたを知らなかった国は/あなたのもとに馳せ参じるであろう。あなたの神である主/あなたに輝きを与えられる/イスラエルの聖なる神のゆえに(イザヤ55:5)。

とあることです。ここで「国」と訳されていますが、原語では“異邦人”のことも含みます。隣人を愛するとは今まで知らなかった異邦人に呼びかけるようなものであり、それを為すのには抵抗があるかも知れません。

しかしもし愛を現わすのであればその異邦人は自分の許(もと)に来る、即ち、仲間になるということです。そして神様がその異邦人を招いた者に栄光を与えられるのです。

であれば隣人愛とは他者を神様の被造物として改めて意識する契機ともなり、それにより神様にあって一つとなる可能性を秘めたものとなるのです。これは神の国の実現にあたっての大前提とも言えることです。このようなことをイエス様は掟に込めているのではないでしょうか。

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