聖霊は弟子たちにイエス様が語られたことを「思い起こさせてくださる」でしょう。この言葉は福音書の中ではヨハネにしか見られません(14:26)。これは知恵の書を思い起こさてくれます。そこには、
主よ、あなたは罪に陥る者を少しずつ懲らしめ、/罪のきっかけを思い出させて人を諭される。悪を捨ててあなたを信じるようになるために(知恵12:2)。
とあります。これを踏まえると聖霊は罪の故に懲らしめを与え、それにより回心を促す存在であると言えます。また罪に気付かせる存在でもあると言えるでしょう。ではなぜ聖霊がそのような働きを為し得るのでしょうか。確かに神様から遣わされる存在にできないことは何もないと考えられます。しかしこの答えとなるのが前節の「あなたの不滅の霊がすべてのものの中にある」にあります(知恵12:1)。創世記によれば人間は被造物であり神の命の息を吹き入れられることにより生きる者となった存在です(創世記2:7参照)。譬(たと)えるのなら神の息、即ち、既に人間に内在する霊と神様からの聖霊が共鳴することにより人は悪を捨てて改めて神様を信じられるようになるのではないでしょうか。