主日の福音

【聖霊降臨ヨハネ14:15-16; 23b-26 その4】

前回引用した民数記の背景を簡単に説明しておきます。出エジプトの最中にモーセに反逆する者たちが現れました。彼等はモーセとアロンが指導者であることを快く思っていなかったのです。そこでモーセはアロンと共に自分たちが神の選びであることを悟らせるために彼等に香炉を作らせ、それで主の御前で献香するように言い渡しました。その結果、モーセのまえもっての言葉通り大地は裂け、彼等は主のもとから出た火によって焼き尽くされたのです(民数記16:26-30参照)。そして主は焼け跡から彼等の香炉を取り出し、それを打ち延ばして板金にして祭壇の覆いを作るように命じられました。彼等の反逆は指導者であるモーセやアロンに対する不平によるものでした(民数記16:11参照)。その不平は神の御旨に反する愚かな思いでもあります。その「愚かさ」に気付けないことこそ愚かさの本質であると言えるでしょう。であれば聖霊の働きとは神の意に反する愚かさ … 自らの命を落とすことにも通じかねない罪を思い起こさせることであると考えられます。こうしたことから聖霊の働きは知恵の書にも見られたように時として戒めでもあり、常に自分にとって都合の良いものではないと言えるのです。

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