主日の福音

【年間第十八主日ルカ12:13-21】 

イエス様は「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである」と言われました(12:15bc)。この「貪欲」をヘブライ語に訳するとハバクク書(注1)

災いだ、自分の家に災いを招くまで/不当な利益をむさぼり/災いの手から逃れるために/高い所に巣を構える者よ(ハバクク2:9)。

が思い起こされます。ここでの「不当な利益」がそれにあたります。これをむさばる者とはカルデア人(注2)のことを指しているのですが、神様は彼らを「冷酷で剽悍ひょうかん(注3)な国民。地上の広い領域に軍を進め/自分のものでない領土を占領する」者と評しています(ハバクク1:6b)。

これを踏まえてイエス様は「自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ」とたとえの意図を話されたと思われます(12:21)。つまり貪欲は神様の御心にかなうものではないばかりか、自分の家族にまで災いをもたらすことになるということです。まさにそれはある意味それは神様をないがしろにしていることと同義であると言るでしょう。

(注1)ハバクク書とは預言書でありバビロニア帝国の脅威にあっての預言である。そしてこの危機的状況の意味を神様に問うたこことその返答がまとめられた書簡であると言える。

(注2)カルデヤ人はバビロニアその他で祭司階級を占め、占星術等を受け継いでいたことからそれらを担う者を意味していた(ダニエル2:2; 4:7; 5:7, 11)。

素早いうえに荒々しくも猛々たけだけしいということ。

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