主日の福音

【年間第十九主日ルカ12:35-40 その3】

「腰に帯を締める」という表現は他の動作と組み合わされて使われるということを前々回にお話ししました。この通例に基づき、イエス様は続いて「ともし火をともしていなさい」と言われたと考えられます(12:35)。この表現を直訳すると“燭台を灯す”となります。この言葉は詩編を思い起こさせてくれます。そこには、

主よ、あなたはわたしの灯を輝かし/神よ、あなたはわたしの闇を照らしてくださる(詩編18:29)。

とあります。これを踏まえるとイエス様の言葉は違った意味に取れます。

被造物である人間は神様から命の息を吹き入れられることによって生きるものとなりました(創世記2:7参照)。その吹き入れらた命の息こそ「ともしび」なのです。これを今その場でそれぞれが生かしなさいということをイエス様は語っているのではないでしょうか。その光が私たちの闇を照らすものとなるのです。

神様は私たちの火が消えかかっていることに気付くのなら、再びその火をともしてくださるはずです。神様は御自分の国で私たちを待ってくださっています。まさにその国に「主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸い」なのです(12:37)。

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